肝臓

肝臓の働きについて

hyaaajiro@moriya

こんにちは、ナミキです!

今回のテーマは「肝臓」ということで、肝臓ってどういう働きをしているんだっけ、といったところからまとめてみました。

肝臓は私たちの身体において、代謝(食品成分の変換など)の要となる非常に重要な臓器となっております。

肝臓を理解することで、皆さんの健康維持もしくは改善に役立つのではないでしょうか。

そもそも肝臓の場所については皆さんご存知のように、腹腔内の右上すなわち肋骨の下にあります。

また腹腔内右上に肝臓があることで、右側の腎臓は肝臓に押し下げられ左側の腎臓よりも若干低い位置にあるそうです。

肝臓は「沈黙の臓器」という異名でも知られており、気づかないうちに肝硬変など重篤な病気になっていることもあるのです。

【ちょこっと豆知識】

「沈黙の臓器」とは、普段の生活において症状がわかりにくく、自覚した時には病状が進んでいることが多い、という臓器のこと。

特に、「肝臓・腎臓・膵臓」を指す場合が多い。

引用:サントリーウェルネス|沈黙の臓器はどこ?それぞれの臓器の役割や検査項目について紹介

先日、私は勤務する会社で健康診断を受けたのですが、超音波検査でまさかの「脂肪肝」という結果をいただくはめになりました。。。

年々体重が増加しており、もうそろそろ痩せないとなあと思っていた矢先に「脂肪肝」という判定でしたので、これから頑張って痩せていこうとポジティブに捉え、現在ジムに通い運動を行なっております。

脂肪肝の原因としては、食事の量が増える一方、運動の機会が減っていったことにより身体の代謝が悪い方向になったのだと思っております。。。

少し話が脱線しましたが、今回はまず肝臓の基本的な働きについてご紹介していきたいと思います。

肝臓の構造やもっと詳しい代謝のメカニズムなどについては、また別の記事でも紹介する予定ですので、そちらもご覧になっていただけると嬉しいです!

①肝臓の働きについて 〜糖代謝・脂質代謝・タンパク質代謝〜

まず肝臓の働きの中でも特に大事だと私が思うものは、「糖」「脂質」「タンパク質」すなわち三大栄養素の代謝だと思います。

それぞれに重要なポイントをあげるとすると、以下のようになります。1)

  • 糖代謝 ➡︎血糖値の制御。
  • 脂質代謝 ➡︎エネルギー源の供給。
  • タンパク質代謝 ➡︎タンパク質の合成。

まず糖代謝に関して、なぜ血糖値?となる方もいらっしゃると思いますが、私たちが生活する上で重要なエネルギー源の一つである糖質すなわちグルコース(糖質の代謝産物)は、血液中の濃度が一定となるように制御されているのです。

例えば、血糖値(血液中のグルコース濃度)は食後に急激に高くなりますが、インスリン(血糖値を下げる働きをする膵臓分泌ホルモン)の作用により、血糖値は食前の状態に戻るようになります。

もしこの時に、血糖値が正常に戻らなければインスリンが作用しにくくなっている「インスリン抵抗性」という状態で、糖尿病など生活習慣病の可能性が出てきます。

血液中に増えたグルコースは、どこかの臓器に送らなければなりません。

この時に貯蔵できるのが、「肝臓」および「骨格筋」となるのです。

なお貯蔵量については、骨格筋の方が肝臓よりも高いということがわかっています。

肝臓の糖代謝
  • 「グリコーゲンの合成・貯蔵」
  • 「グルコースの合成(糖新生)・供給」
肝臓の脂質代謝
  • 「脂肪酸の合成・分解」
  • 「コレステロールの合成・分解」
  • 「リポタンパク質の合成・供給」
肝臓のタンパク質代謝
  • 「アミノ酸の合成・分解・供給」
  • 「血液(血漿)タンパク質の合成」
  • 「アンモニアの解毒」

②肝臓の働きについて 〜栄養素の貯蔵〜

次に、肝臓の働きとして重要なこととして、栄養素の貯蔵があります。

先に記載の通り、糖質「グリコーゲン」と脂質「トリグリセリド」の貯蔵はありますが、これらに加えてビタミンとミネラルも貯蔵しています。

今回は覚えやすいように、ビタミン(脂溶性・水溶性)およびミネラルに関してそれぞれ代表的な1種類を記載しております。

肝臓の栄養素貯蔵
  • 「グリコーゲン」➡︎血糖値の制御に関与。
  • 「トリグリセリド(中性脂肪)」➡︎エネルギー源として関与。
  • 「ビタミンA(脂溶性ビタミン)」➡︎視覚等に関与。
  • 「ビタミンB12(水溶性ビタミン)」➡︎メチオニン(肝機能の亢進)合成酵素の補酵素として関与。
  • 「鉄」➡︎貧血等に関与。

③肝臓の働きについて 〜解毒作用〜

肝臓の働きとして三つ目に紹介させていただくのが、解毒作用についてです。

毒と言いましても、蜂やフグなどが持っているような毒ではなく、タンパク質代謝や運動の過程で作られた「アンモニア」やアルコール代謝の過程で作られた「アセトアルデヒド」などの物質の解毒に関する作用です。2)

また薬物(薬局などで処方される薬なども含む)の解毒も行います。

それぞれ日常に密接に関連があるものですね。

肝臓の解毒作用
  • 「アンモニアの解毒」➡︎タンパク質代謝や運動との関連。
  • 「アセトアルデヒドの解毒」➡︎飲酒との関連。
  • 「薬物の解毒」➡︎処方薬などとの関連。

④肝臓の働きについて 〜胆汁の生成・分泌〜

肝臓の働きに関して、最後は胆汁の生成および分泌についてです。

胆汁?聞いたことはあるぞ、という方もいらっしゃるかと思います。

胆汁とは、脂肪を乳化して脂肪の消化吸収を助ける働きを持つ消化液の一つですが、消化酵素自体は含んでおりません。3)

肝臓はその胆汁を生成し、分泌しているのです。

肝臓による胆汁生成・作用
  • 「胆汁の生成」➡︎主要成分はビリルビン(寿命を迎え脾臓で破壊された赤血球が肝臓で代謝された成分)。
  • 「胆汁の分泌」➡︎肝臓下部に位置する胆嚢に溜め込み、その後十二指腸へ分泌する。

まとめ

今回は、肝臓の働きについてまとめてみましたが、いかがでしたか?

肝臓がヒトの身体に非常に重要であるということが、皆さんの学びにつながったのであれば幸いです。

以上をざっくり整理しておきますね。

①肝臓の働きについて 〜糖代謝・脂質代謝・タンパク質代謝〜

  • 糖代謝
  • 脂質代謝
  • タンパク質代謝

②肝臓の働きについて 〜栄養素の貯蔵〜

  • グリコーゲン
  • トリグリセリド
  • ビタミンA

③肝臓の働きについて 〜解毒作用〜

  • アンモニアの解毒
  • アセトアルデヒドの解毒
  • 薬物の解毒

④肝臓の働きについて 〜胆汁の生成・分泌〜

  • 胆汁の生成
  • 胆汁の分泌

肝臓は非常に重要な臓器であるにも関わらず、異常が起きても私生活では気づきにくいということがよく言われております。

健康診断の結果だけではなく、普段の生活から自身の肝臓を労ってあげてください。皆さんの肝臓は毎日頑張ってくれています!(笑)

それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)

参考文献

1)佐々木 努. エッセンシャル栄養化学. 講談社.

2)鈴木 紘一ら. ホートン生化学. 東京化学同人.

3)看護roo|肝臓の解剖生理

ABOUT ME
ナミキ
ナミキ
食品の「栄養化学」「食品生理機能学」に関する研究者
こんにちは、ナミキと申します!
私は京都大学で食品成分が持つ栄養やそれらが生体に及ぼす効果に関する研究を行っておりました。
そして現在は企業で食品の成分が持つ機能性についての研究をしております。

このサイトでは、食品の成分がどのような機能性を持っているのか、身体にどのような作用を及ぼすのかを体系的に学ぶことができるよう、情報発信をできればと思っております。
情報源としては、各省庁や各学会のホームページ、市販されている諸先生方の書籍、医学系文献データベースのPubmedなどを用いて、身近な物事について触れていきたいと思います。

基本的なことから少し踏み込んだことも含め、少しでも皆さんの日常生活に役立つような情報となれば幸いです(^^)
よろしくお願いします!
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