健康診断の項目|その1-1:血液による検査(糖代謝)
こんにちは、ナミキです!
今回は前回(健康診断の概要|人間ドックとの違いも踏まえて)に引き続き「健康診断」ということで、それぞれの項目の基準値などについて整理してみました。
なお健康診断の項目は非常に多いため、大きく5テーマに分け、その中で一つずつじっくりと紹介していきたいと思います。
- 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血液一般) ➡︎今回は糖代謝!
- 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
- 尿・糞便による検査
- 体外測定による検査(体組成・視力・聴力など)
- 体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)
今回は「①-1:血液による検査(糖代謝)」についてで、男性女性ほとんどの方に共通する一般的な項目についてのご紹介となります。特に、糖尿病のおそれがないかを調べる指標ですね。糖代謝は、脂質代謝にも深く関係している項目でもあるので、ぜひ注目したい項目となっております。
定期健康診断の検査項目ではないですが、検査する可能性が高いものについても「※」で追記しておりますので、合わせてご確認ください。なお追加で受診できる特殊な項目(人間ドックなどの検査項目)については、受診先のお医者様に詳細な内容をお聞きしていただけると幸いです。
それでは早速見ていきましょう!
①糖代謝検査|空腹時血糖値(GLU:Glucose)
判定区分 | 空腹時血糖値 |
---|---|
正常型 | 100 mg/dL未満 |
正常高値 | 100~110 mg/dL未満 |
境界型 | 110~126 mg/dL未満 |
糖尿病型 | 126 mg/dL以上 |
空腹時血糖とはその名の通り、空腹時における血液中の糖(特にグルコース)を測定する項目となっております。
血糖というのは食事により濃度が上昇しますが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンにより低下します。しかし、インスリンの作用がうまく働かないと高血糖の状態、すなわち糖尿病の可能性が疑われるのです。
すなわち、この検査では血糖の調節機能が正常か否か、また糖尿病の可能性がないかを調べる項目となっているのです。
【ちょこっと豆知識】
なぜ健康診断の前には空腹にしないといけないのか?
これは食事や飲料に含まれている食品成分の影響を除外したいからです。毎年の健康診断で、前年(それよりも前)よりどうなったのかを確認したいですよね?そのためには、毎年のコンディションを一定にすることが必要となります。
そこで空腹時に測定することが最も理にかなっているということなのです。
食事や嗜好飲料を摂取すると、血糖値や中性脂肪値などの増加が顕著に現れるので、診断結果が日頃の体質の影響なのか、それとも食事などの影響なのかを把握することが難しくなるのです。
引用:EPARK人間ドック「血液検査前の食事は何時間前からNG?」2023年8月27日時点
②糖代謝検査|グリコヘモグロビン(HbA1c:Hemoglobin A 1c)
判定区分 | グリコヘモグロビン(HbA1c)値 |
---|---|
糖尿病型 | NGSP≧6.5 % もしくは JDS≧6.1 % |
HbA1cとは、赤血球の中にあるヘモグロビンAにグルコース(血糖)が非酵素的に結合したもので、食事などによる影響を受けやすい血糖値とは異なり、過去1~2ヶ月の平均的血糖値を反映することが知られています。
糖尿病の早期発見や血糖コントロール状態の評価に有用な検査指標にもなっております。1)
NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)値とは
従来、日本ではJDS(Japan Diabetes Society)値を用いていたが、2012年4月1日以降は特定健康診査・保健指導等を除く日常臨床および著作物においてNGSP値を用いている。
NGSP値はJDS値に約0.4 %を加えた値となる。2)
まとめ
今回は、定期健康診断における血液検査の項目、特に糖代謝についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
毎年ただ数字を眺めているだけだった私ですが、今後は基準値からどのくらい離れているのかも気にしながら結果を見ていきたいと思います。
以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。
判定区分 | 空腹時血糖(GLU)値 |
---|---|
正常型 | 100 mg/dL未満 |
正常高値 | 100~110 mg/dL未満 |
境界型 | 110~126 mg/dL未満 |
糖尿病型 | 126 mg/dL以上 |
判定区分 | グリコヘモグロビン(HbA1c)値 |
---|---|
糖尿病型 | NGSP≧6.5 % もしくは JDS≧6.1 % |
次回は定期健康診断における「その1-2:血液による検査(脂質代謝)」についてまとめていきたいと思います!
それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)
参考資料
1)ヘモグロビンA1c / HbA1c | e-ヘルスネット(厚生労働省)