健康診断の項目|その3-2:尿・糞便による検査(糞便)
こんにちは、ナミキです!
今回は前回(尿による検査)に引き続き”糞便による検査”について整理してみました。
- 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
- 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
- 尿・糞便による検査 ➡︎今回は糞便!
- 体外測定による検査(体組成・視力・聴力など)
- 体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)
糞便も尿同様に、痛みを伴う採血などを必要としない”非侵襲的”な検査方法になります。尿は主にその排泄経路である腎臓や尿路などに異常がないかを調べるものとなっておりましたが、糞便についても排泄経路である消化管(胃や小腸・大腸など)に関して異常がないかを調べるものとなっております。
別の記事にて紹介しますが、近年では糞便を用いて”腸内細菌叢(腸内フローラ)”を調べるツールともなっているのです。
※腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう):ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息していますが、それらの細菌には善玉菌や悪玉菌などがあります。1)糞便を用いて、その種類や割合を調べることで自身が健康的な生活を送っているのかを把握できるツールにもなっております。
それでは早速中身を見ていきましょう!
①糞便検査|便潜血
判定区分 | 便潜血 |
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基準値(定性) | 陰性:- , 陽性:+ |
便潜血とは、”糞便に血液が潜んでいないか”を調べる検査となっております。では、糞便に血液が混じるとは一体どのような時なのでしょうか?
それは糞便が作られる前後、すなわち胃や小腸・大腸などの消化管に何か異常があった際に、食べ物や糞便の移動により消化管にできた異常部分が削り取られ、出血を伴うことによるのです。
この検査では、消化管全般の病気が可能性の対象となりますが、その中でも特に大腸癌の早期発見に役立てられています。
検査方法としては、2日分の糞便を採取する方法が一般的です。測定の対象としては、糞便中の血液に含まれる”ヘモグロビン”となっております。このヘモグロビンは、時間の経過とともに変性や分解を起こす可能性があるため、採取日はできるだけ検体提出日に近い方がいいとされています。
2日分の糞便を採取する目的としては、病気以外による出血の影響を排除したいからです。例えば、歯茎からの出血・鼻血・痔による出血などでも、糞便に血液が混じるため、1日分の糞便だけでは判断が難しいということですね。
2日とも出血がなければ”陰性”、1日でも出血があれば”陽性”の判定となります。
②糞便検査|寄生虫・寄生虫卵
判定区分 | 寄生虫・寄生虫卵 |
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基準値(定性) | 陰性:- , 陽性:+ |
この検査では、私たちの身体が”寄生虫に感染していないか”を調べるものとなっております。そもそも寄生虫についてですが、人や動物の表面や体内に寄生して食物などの養分をせしめる生物のことで、大きくは原虫(げんちゅう)と蠕虫(ぜんちゅう)の2つに分類されます。
※原虫:アメーバなど目に見えない単細胞のもの。
※蠕虫:アニサキスなど目に見える多細胞のもの。
寄生虫に感染すると、様々な症状を起こすことがありますが、代表的なものとしては”腹痛”があります。
寄生虫の感染経路や感染部位については様々ですが、最も多いものでは経口感染(口からの摂取)によるものです。例えば、生の食物には寄生虫が含まれるため、良く洗ったり加熱調理などで寄生虫を死滅させた方がいいです。
また各種寄生虫の中には、卵を産むものもいるため、そういった卵が糞便に含まれていないかを調べるための検査ともなっているのです。
戦後、衛生状況が悪かった日本では、寄生虫により健康被害を起こす人が多数いました。しかし生活レベルが上がり、衛生環境の改善にともなって、その人数は減少しているものの、現在でも適切な処理をされていない魚介類などを生で食べて寄生虫に感染する例が報告されているそうです。2)
日頃のこまめな手洗いを大切にしましょう!
まとめ
今回は、糞便による検査についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
検査結果は、陽性か陰性という数字では現れないものなので、普段の検査ではそこまで関心を寄せることもないかもしれません。しかし、大腸癌など大きな病気の発見にもつながるということを理解できれば、糞便検査も少しは見方が変わりそうですね。
以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。
判定区分 | 便潜血 |
---|---|
基準値(定性) | 陰性:- , 陽性:+ |
判定区分 | 寄生虫・寄生虫卵 |
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基準値(定性) | 陰性:- , 陽性:+ |
次回は定期健康診断における「体外測定による検査(身長・体重など)」についてまとめていきたいと思います!
それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)