健康診断

健康診断の項目|その2-3:血液による検査(痛風)

hyaaajiro@moriya

こんにちは、ナミキです!

今回は前回(血液による検査:腎臓機能)に引き続いて、「痛風」について整理してみました。今回が血液による検査の最後の項目となります!

  1. 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
  2. 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風) ➡︎今回は痛風
  3. 尿・糞便による検査
  4. 体外測定による検査(体組成・視力・聴力など)
  5. 体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)

痛風という言葉自体はなんとなく聞いたことがあるという方も多いのではないのでしょうか?とはいえ、どのような原理でどのような症状が起こるのかと、しっかり理解されている方は多くはないかもしれません。

そこで、痛風の基本的な情報やその周辺情報についてまとめてみました。

それでは早速中身を見ていきましょう!

①痛風検査|尿酸(UA:Uric Acid)

判定区分尿酸(UA)値
基準値(男性)3.0~6.9 mg/dL
基準値(女性)2.5~6.0 mg/dL
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 50-51ページ

痛風の検査項目と言えば「尿酸」というのは、ご存知の方も多いとは思いますが、痛風がどのような症状で、尿酸との関連性についてまではあまり知られていないのかなと思います。

まず痛風の症状についてですが、ある日突然に足の親指などの関節が腫れて激痛に襲われる病気で、特に男性に多い病気となっております。1) 2-3日は歩けないほどの激痛が続くそうです。

また足の親指の関節以外にも、足の甲・アキレス腱・膝関節・手関節・耳介(いわゆる耳のこと)など様々な部位に症状が現れることがあります。

ではこの痛風の症状はどのような原因で起こるのでしょうか?

それは、高尿酸血症すなわち血液中の尿酸値が高い状態が続き、飽和(それ以上溶けることができない状態)すると尿酸の結晶が作られ、様々な部位に蓄積されて、これに対して免疫細胞が反応し炎症を起こして、激痛を伴うことによるのです。

つまりは、尿酸の蓄積を抑えることができればいいということですね!では尿酸の蓄積を抑えるにはどのようにしたらいいでのしょうか?尿酸蓄積には、様々な要因がありますが今回は大きく3つについて取り上げてみたいと思います。

  1. 食品・飲料
  2. 激しい運動
  3. 腎臓機能

①食品・飲料

そもそも尿酸とは、「プリン体」が分解されてできたものです。プリン体とは細胞の核に存在する核酸の主成分として存在し、新陳代謝によって古い核酸が分解され、エネルギー代謝によって作られる物質です。また、食品由来のプリン体もあります。

ここまでくると、ピン!と来た方もいらっしゃるのではないでしょうか?そうです、レバー・白子・アンコウ・アルコールなど様々なものに含まれています。

巷では「痛風鍋」と聞くことがありますが、それにはプリン体の多い白子やアンコウなどが含まれていますよね。とても美味しいですが、痛風にはお気をつけてください。(笑)

②激しい運動

さて食品・飲料由来の次は、激しい運動についてです。これは尿酸蓄積というよりも、血液中の尿酸濃度が高くなるといった方が適切になります。

激しい運動を行うと、大量の汗をかきます。すなわち体内(血液中)の水分量が少なくなり、相対的に尿酸濃度が高くなります。

先にお話ししたように、血液中の尿酸は飽和することで結晶化しますので、血液中の尿酸濃度が高くなるということは結晶化しやすくなることにつながるのですね。

そのため、激しい運動に関わらず夏場の外でのお仕事など大量の汗をかく際には、こまめに水分補給を行い、体内の水分が少なくならないようにしましょう!

③腎臓機能

最後に腎臓機能に関しての紹介です。一見すると、尿酸蓄積に関係がないようにも感じますが、腎臓の機能が低下すると尿酸を排泄しにくくなり、血液中の尿酸濃度が高まることがあります。

また腎臓に尿酸結晶が蓄積することで腎臓機能が低下し、さらに尿酸結晶が蓄積しやすくもなります。腎臓に関連して、尿路に尿酸結晶が蓄積すると、結石となって、身体に負担がかかることもあります。

健康診断の際には、腎臓機能の項目についてもしっかり確認したいですね。

まとめ

今回は、定期健康診断における痛風検査の項目についてまとめてみましたが、いかがでしたか?腎臓とも関連していることには驚きですね。

以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。

判定区分尿酸(UA)値
基準値(男性)3.0~6.9 mg/dL
基準値(女性)2.5~6.0 mg/dL
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 50-51ページ

次回は定期健康診断における「尿・糞便による検査(尿)」についてまとめていきたいと思います!

それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)

参考資料

1)【痛風】 ある日突然、激痛におそわれます | 健康サポート | 全国健康保険協会

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ナミキ
ナミキ
食品の「栄養化学」「食品生理機能学」に関する研究者
こんにちは、ナミキと申します!
私は京都大学で食品成分が持つ栄養やそれらが生体に及ぼす効果に関する研究を行っておりました。
そして現在は企業で食品の成分が持つ機能性についての研究をしております。

このサイトでは、食品の成分がどのような機能性を持っているのか、身体にどのような作用を及ぼすのかを体系的に学ぶことができるよう、情報発信をできればと思っております。
情報源としては、各省庁や各学会のホームページ、市販されている諸先生方の書籍、医学系文献データベースのPubmedなどを用いて、身近な物事について触れていきたいと思います。

基本的なことから少し踏み込んだことも含め、少しでも皆さんの日常生活に役立つような情報となれば幸いです(^^)
よろしくお願いします!
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