その他の検査

健康診断の項目|その5-3:体内測定による検査(電気)

hyaaajiro@moriya

こんにちは、ナミキです!

さて今回で体内測定による検査の最終章となる、電気による検査について紹介して行きたいと思います。前回(電磁波による検査)までは主に画像化することで、身体に異常がないかを調べる検査になっていましたが、今回の電気による検査では身体からの電気信号を受信し波形化したものを調べる検査となっております。

  1. 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
  2. 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
  3. 排泄物による検査(尿・糞便)
  4. 体外測定による検査(身体計測・目&耳・血圧)
  5. 体内測定による検査(超音波・電磁波・電気) ➡︎今回は電気

それでは早速中身を見ていきましょう!

①電気検査|心電図(ECG)

判定区分心電図
波形の異常所見不整脈、期外収縮、心房細動、房室ブロック、心筋梗塞など
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 78-79ページ

健康診断で波形化するものといえば、”心電図(ECG:ElectroCardioGram)”になりますね。とは言いましても、私たちが波形化したものを見ることはほとんどないと思います。波形化の結果から”異常なし”などの形で教えてもらうことになります。

ではこの心電図とはどういったものなのでしょうか。

そもそも心臓は、右心房上部の洞結節(洞房結節)というところから電気信号を発しており、その電気信号が心筋を次々に刺激していくことで拍動を行っています。この電気信号の流れを、体外から測定することで波形化しています。健康な心臓の心電図はほぼ決まっているため、その心電図が乱れた場合には異常がある可能性を示しているのです。

出典:心臓の刺激伝達系と心電図のイラスト|看護roo

検査の種類としては、”安静時心電図検査運動負荷心電図検査ホルター心電図検査”などがありますが、一般的な健康診断では”安静時心電図検査”を受けているかと思います。他2つの検査については、別の機会に紹介したいと思います。

②電気検査|筋電図(EMG)

対象部位対象疾患(筋電図)
筋肉重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、多発性筋炎、etc
神経筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群、手根管症候群、慢性炎症性多発根神経症、糖尿病神経障害、変形性脊椎症、末梢神経炎、etc
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 242ページ

筋電図検査(EMG:ElectroMyoGraphy)は、”筋肉”と”神経(筋肉を動かす)”のどちらに異常があるのかを調べる検査になっています。

  • 筋肉➡︎筋肉自体の働きに異常がないか
  • 神経➡︎筋肉を動かすための信号を出す神経に異常がないか

検査方法は大きく2つあります。

  • 針筋電図検査➡︎対象部位(筋肉)に細い電極針を刺し、力の出し入れ(痛みを伴う)の際に生じる電気信号を筋電計で測定する検査。心電図と似た形のグラフ。
  • 神経伝達速度検査➡︎手足の離れた位置に2つの電極を付け、微弱な電気刺激(少しビリビリする)を加えて、その2点間を伝わる刺激の速さを測定する検査。神経に異常があると伝達速度が遅くなる。

③電気検査|脳波(EEG)

判定区分脳波
波形の異常所見脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、脳炎、てんかん、認知症、肝性昏睡、etc
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 243ページ

脳波検査(EEG:ElectroEncephaloGraphy)”は、頭に電極(8~20個程度)をつけて脳の神経細胞の電気活動を評価する検査です。脳に異常がある際には、特徴的な波形を示します。

必要に応じて、深呼吸・瞼の開閉・音や光による刺激・睡眠などの要素を付加して検査することもある。検査時間は30~120分程度。

頭部のCT検査やMRI検査などと合わせて診断を確定させていくが、”てんかん”の場合には脳波検査により診断確定を行うことができます。

  • てんかん➡︎”脳の慢性疾患”で、脳の神経細胞(ニューロン)に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作を特徴とし、それに様々な臨床症状や検査での異常が伴う病気と定義されています。1)
出典:脳波検査のイラスト|看護roo

まとめ

今回は体内の電気信号を読み取る検査についてまとめてみましたが、いかがでしたか?

普段の健康診断では、主に心電図検査のみを行うと思いますが、筋電図検査や脳波検査もあるということを頭の片隅にでも置いてもらえると嬉しいです。

以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。

判定区分心電図
波形の異常所見不整脈、期外収縮、心房細動、房室ブロック、心筋梗塞など
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 78-79ページ
対象部位対象疾患(筋電図)
筋肉重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、多発性筋炎、etc
神経筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群、手根管症候群、慢性炎症性多発根神経症、糖尿病神経障害、変形性脊椎症、末梢神経炎、etc
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 242ページ
判定区分脳波
波形の異常所見脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、脳炎、てんかん、認知症、肝性昏睡、etc
出典:祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 243ページ

今回で健康診断の項目を一通りまとめてみましたが、いかがでしたか?

私自身知らなかった情報もあり、調べながらのため、かなり長い期間をかけてのご紹介となりました。あくまでも健康診断程度での検査項目なので、人間ドックではもっと多くの検査項目があると思います。

とはいえ、代表的な検査項目についてはまとめることができたのかなと思っています。
少しでも皆様の情報の手助けになっていると幸いです!

それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)

参考文献

1)てんかんについて | てんかんとは | てんかんinfo

ABOUT ME
ナミキ
ナミキ
食品の「栄養化学」「食品生理機能学」に関する研究者
こんにちは、ナミキと申します!
私は京都大学で食品成分が持つ栄養やそれらが生体に及ぼす効果に関する研究を行っておりました。
そして現在は企業で食品の成分が持つ機能性についての研究をしております。

このサイトでは、食品の成分がどのような機能性を持っているのか、身体にどのような作用を及ぼすのかを体系的に学ぶことができるよう、情報発信をできればと思っております。
情報源としては、各省庁や各学会のホームページ、市販されている諸先生方の書籍、医学系文献データベースのPubmedなどを用いて、身近な物事について触れていきたいと思います。

基本的なことから少し踏み込んだことも含め、少しでも皆さんの日常生活に役立つような情報となれば幸いです(^^)
よろしくお願いします!
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