健康診断の項目|その5-1:体内測定による検査(超音波)
こんにちは、ナミキです!
前回(血圧による検査)までは体外測定について紹介してきましたが、今回からはいよいよ健康診断の最終章となる”体内測定による検査”について紹介していこうと思います。
検査手法別に3つに分類してみました。今回はその中でも”超音波による検査”について整理してみました。
- 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
- 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
- 排泄物による検査(尿・糞便)
- 体外測定による検査(身体計測・目&耳・血圧)
- 体内測定による検査(超音波・電磁波・電気) ➡︎今回は超音波!
超音波による検査は、いわゆるエコー検査のことで、お腹にジェルみたいなものを塗られて先端が丸い器具(”プローブ”といい超音波を出す)でグリグリと回しながら押されるやつですね。
それでは早速中身を見ていきましょう!
①超音波検査|腹部
対象部位 | 対象疾患 |
---|---|
肝臓 | 肝臓癌、肝硬変、肝血管腫、脂肪肝、肝嚢胞など |
胆嚢 | 胆嚢癌、胆嚢ポリープ、胆管癌、胆石など |
膵臓 | 膵臓癌、膵炎、膵嚢胞など |
腎臓 | 腎臓癌、腎結石、腎炎、腎嚢胞、水腎症など |
脾臓 | 脾嚢胞、脾血管肉腫など |
その他 | 前立腺癌、前立腺肥大症、尿管結石、副腎腫瘍、腹部大動脈瘤、腹水、リンパ節腫大など |
超音波検査とは画像診断の一種で、体内に向けて人の耳に聞こえるよりもはるかに高い高周波の音を当て、体内から戻ってくる反射波(エコー)を捉えてコンピュータ処理し、モニターで画像化して、対象部位の形状を動いている状態(リアルタイム)で調べる検査となっております。
超音波検査は音波の特性から、水分を含んだ軟らかい組織を調べるのに適していますが、骨などの硬い組織や空間部の多い臓器を調べるのには不向きです。1)そのため、腹部の臓器を調べるのには超音波検査はもってこい、ということなんですね。
腹部の臓器といえば、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓など、私たちの身体の中でも重要なものばかりなので、重要な検査というわけですね。
なおこの超音波検査は、X線検査とは違って放射線に被曝する心配がないため、何度でも再検査できるというのがメリットかなと思っています。
ちなみに全くの私事なのですが、この腹部超音波検査で”脂肪肝”と判定されたことがありました。。。画像には白く映るそうです。
②超音波検査|頸動脈
対象部位 | 対象疾患 |
---|---|
頸動脈 | 動脈硬化 |
頸動脈とは脳に血液を送る首の血管のことで、この検査では首の血管の様子を前述と同様に測定して調べるものとなっております。これにより動脈硬化の早期発見や進行具合がわかります。
動脈硬化の指標として、”プラーク”と”内膜中膜複合体肥厚度(IMT)”がよく使われているようです。
②-1:プラーク
動脈の内膜に血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)などが沈着してドロドロの粥状物質(プラーク)となり、血管が狭くなって狭心症が起こります。さらに柔らかいプラークが破綻してそこに血栓ができると、血管が詰まってしまって心臓に負担がかかるため、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こします。2)
すなわち、画像でプラークがあるのかについて調べているということですね。
引用:血管が詰まっているイラスト🎨【フリー素材】|看護roo![カンゴルー]
②-2:内膜中膜複合体肥厚度(IMT)
IMT(Intima Media Thickness)は、三層(外膜・中膜・内膜)からなる動脈壁の内膜と中膜を併せた厚さのことを指します。頸動脈のIMTが1.1mmを超えると動脈硬化と診断され、同様に全身の動脈硬化の進行も進んでいると考えられます。動脈硬化は老化でも進行しますが、通常であれば1.1mmを超えることはないとのことです。3)
画像:「ナミキの学び」著者の作成物
まとめ
今回は、血圧による検査についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
健康診断という観点から、腹部と頸動脈に絞ってのご紹介でしたが、超音波検査自体にはその他にも、心臓・甲状腺・乳房・卵巣・子宮などについても調べることができるようです。
まずは普段の健康診断で行う、腹部についてしっかりと把握していきたいですね。
以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。
対象部位 | 対象疾患 |
---|---|
肝臓 | 肝臓癌、肝硬変、肝血管腫、脂肪肝、肝嚢胞など |
胆嚢 | 胆嚢癌、胆嚢ポリープ、胆管癌、胆石など |
膵臓 | 膵臓癌、膵炎、膵嚢胞など |
腎臓 | 腎臓癌、腎結石、腎炎、腎嚢胞、水腎症など |
脾臓 | 脾嚢胞、脾血管肉腫など |
その他 | 前立腺癌、前立腺肥大症、尿管結石、副腎腫瘍、腹部大動脈瘤、腹水、リンパ節腫大など |
対象部位 | 対象疾患 |
---|---|
頸動脈 | 動脈硬化 |
次回は「電磁波による検査」についてまとめていきたいと思います!
それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)
参考文献
1)祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 120-121ページ