健康診断の項目|その4-3:体外測定による検査(血圧)
こんにちは、ナミキです!
今回は前回(目&耳による検査)に引き続き、体外測定最後の”血圧による検査”について整理してみました。
- 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
- 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
- 排泄物による検査(尿・糞便)
- 体外測定による検査(身体計測・目&耳・血圧) ➡︎今回は血圧!
- 体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)
血圧の測定は、測定機器を買えば自宅でも簡単に測定できるものになっています。測定機器自体は、3000円くらいで手に入る程そこまで高価なものではないので、一家に一台あると良いかもしれませんね。
それでは早速中身を見ていきましょう!
①血圧検査
判定区分 | 血圧 |
---|---|
基準範囲(収縮期) | 100〜139mmHg |
基準範囲(拡張期) | 50〜89mmHg |
そもそも血圧とは、「心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力」のことで、心臓が縮んだり広がったりすることで発生します。また血圧の値は、心臓から押し出される血液量(心拍出量)と、血管の収縮の程度やしなやかさ(血管抵抗)によって決まります。1)
血圧には、”収縮期血圧”と”拡張期血圧”の2種類があります。収縮期血圧(上の血圧)とは、心臓が収縮し血管にもっとも強い圧力がかかっているときの値で、拡張期血圧(下の血圧)とは、心臓が拡張しているときに血管にかかる圧力の値のことを指します。
繰り返しになりますが、心臓の収縮と拡張によって血液を全身に送り、その時の血管にかかる圧力を測定しているということですね。
高齢になると高血圧になりやすいというのは、高齢の方では動脈硬化になりやすく、心臓が収縮した時(収縮期)に血管に負担がかかりやすいためであると考えられています。
この検査では、単に高血圧かどうかを把握するためだけに行なっているのではなく、心臓が血液を送り出す機能や、血管の弾力性や抵抗性について推測するためのツールともなっているのです。なお血管の弾力性や抵抗性を推測することで、動脈硬化の可能性がないかも推測することができるのです。
高血圧に関しては、また別の記事で詳しく紹介したいと思います。
【ちょこっと豆知識】
”mmHg”とは何なのかご存知でしょうか?
こちらの読み方としては、「ミリメートル水銀柱」や「ミリメートルマーキュリー」などです。「Hg」とは水銀の元素記号です。また水銀を英語ではマーキュリーと呼びます。
水銀は一見有毒な成分として知られていますが、”液体の金属”という特殊な性質を持った成分です。比重で言うと、水の13.6倍、すなわち水は1Lで1kgですが、水銀は1Lで13.6kgあるということですね。
この性質を利用したものが圧力計、今回で言うところの水銀柱式圧力計となります。もし血圧が100mmHgとすると、水銀を100mm(10cm)持ち上げる圧力がかかっているということになります。しかしこれを水で測定するとなると13.6倍すなわち1360mm(1.36m)もの測定装置が必要となるわけです。10~20cm程で測定ができるのであれば、持ち運びも簡単ですね。
最近の血圧計は電子のものが主流となっていますが、水銀柱式血圧計であれば電気がないところでも使用することができるというメリットがあるのです。
出典1:mmhg【ナース専科】
出典2:便利な計測器は水銀のおかげ|環境省
まとめ
今回は、血圧による検査についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
高血圧かどうかだけではなくて、動脈硬化の可能性についてもわかるというのがとても興味深いなと思いました。
以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。
判定区分 | 血圧 |
---|---|
基準範囲(収縮期) | 100〜139mmHg |
基準範囲(拡張期) | 50〜89mmHg |
次回からは、定期健康診断の最終章となる「体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)」についてまとめていきたいと思います!
それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)
参考文献
1)一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|高血圧の話|日本高血圧学会