健康診断

健康診断の項目|その4-1:体外測定による検査(身体計測)

hyaaajiro@moriya

こんにちは、ナミキです!

前回(糞便による検査)までは排泄物による検査についての紹介でしたが、今回からは体外測定による検査についてまとめていきたいと思います!今回はその中でも”身体計測”について整理してみました。

  1. 血液による検査(糖代謝・脂質代謝・血球)
  2. 血液による検査(肝臓機能・腎臓機能・痛風)
  3. 排泄物による検査(尿・糞便)
  4. 体外測定による検査(身体計測・目&耳・血圧) ➡︎今回は身体計測
  5. 体内測定による検査(腹部超音波・心電図など)

身体計測は、おそらく最も身近な健康を把握する項目の一つではないでしょうか?例えば、体重体脂肪率などがあります。その他にも、骨格筋量骨量であったりと、自身の身体を構成するものになっていますね。

体重については、身長の高い低いが関係するので、一概に肥満や健康などとは言い難いです。しかし、身長と体重をもとに算出される体格指数(BMI)に関しては、ある程度の基準が設けられているので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは早速中身を見ていきましょう!

①身体計測検査|体組成

判定区分内臓脂肪レベル
標準9.5以下
やや過剰10.0〜14.5
過剰15.0以上
出典:体組成計の測定項目の見かたについて | タニタ

※今回は生活習慣病の発症リスクと関係する”内臓脂肪レベル”のみについて、基準表を作成いたしました。理由については、後述しております。

体組成とは、私たちの身体を構成する成分の組成のことで、”体脂肪”と””と”除脂肪軟組織(いわゆる筋肉)”の3要素に分類されます。

そもそも身体は「水分・タンパク質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。これらのバランスが崩れていると肥満・浮腫・栄養失調・骨粗鬆症などの生活習慣病や慢性疾患症状が現れてくる可能性があるのです。1)

主な検査項目には、以下のようなものがあります。2)また検査方法としては、体組成計と言われる体重計のような機器が使用されるのが一般的です。体組成計の測定原理などについては、また別の記事で紹介したいと思います。

  • 体重:実際に測定した体重
  • 脂肪量:身体の脂肪の重量
  • 除脂肪量:身体の脂肪以外の組成(水分・筋肉・骨など)の重量
  • 水分量:血液など身体の全ての水分の重量
  • 筋肉量:骨格筋などの重量(水分量を含む)
  • 推定骨量:骨に含まれる骨塩(カルシウム・リンなど)の重量
  • 体脂肪率:体重に対する脂肪量の比率
  • 内臓脂肪レベル:腹腔内についた脂肪の量を段階評価したもの
  • 腕・脚脂肪率:体重に占める腕・脚部の脂肪の比率
  • 基礎代謝量:生命を維持するために使われる熱量
  • 体組成年齢:体組成の状態からみた身体の年齢
  • その他:標準体重・肥満度など

体重・脂肪量・筋肉量などは、その人の身長などによって見方が変わるため、一概に良い悪いというのは判断ができません。そこで、今回ご紹介するもので特に注目してほしいものとしては、”内臓脂肪レベル”になります。

私たちの身体につく脂肪として、大きく二つに分類することができます。それは、”内臓脂肪”と”皮下脂肪”です。内臓脂肪とは胃・腸などの腹腔内の臓器のまわりにつく脂肪のことで、皮下脂肪とは皮膚の下の皮下組織に蓄積する脂肪のことです。

この二つの脂肪についてですが、内臓脂肪の方が生活習慣病などの発症リスクが高いことがわかっています。3)そのため、”内臓脂肪レベル”をきちんと理解することは、非常に重要になるのです。

②身体計測検査|体格指数(BMI)

判定区分BMI(kg/m2
低体重< 18.5
普通体重18.5 ≤ BMI < 25.0
肥満(1度)25.0 ≤ BMI < 30.0
肥満(2度)30.0 ≤ BMI < 35.0
肥満(3度)35.0 ≤ BMI < 40.0
肥満(4度)40.0 ≤ BMI
出典:肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)、日本肥満学会

次に体格指数についてですが、馴染みがある呼び方であればBMI(Body Mass Index)ではないでしょうか?

このBMIとは、肥満度の判定に使われる国際的な標準指標であり、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで算出することができます。そのため、普段はあまり気にしませんが、実は単位は”kg/m2で表されているのです。

例えば、「体重70 kg、身長170 cm」の人であれば、以下のような算出方法になります。

70(kg) / (1.7(m) × 1.7(m))= 約24.2(kg/m2)

身長と体重さえわかれば算出できますし、もっといえば身長はそこまで大きく変動しないので、体重さえわかればすぐに算出できますね。

さてこのBMIについてですが、上記の基準表を参照していただければ分かるように、普通体重ではBMIが18.5〜25となっています。まずは、この範囲に収まるように日頃から体重には気をつけていきたいですね。

またBMI 22というのは、最も疾病が少ない状態ということがこれまでの研究でわかっているので、この数字をまずは目標にすると良いですね。3)ちなみに先ほどの身長170 cmの人では、BMI 22を達成するには、以下の計算式で求めると理想体重が算出されます。

理想体重(kg) = 22(kg/m2) × 1.7(m) × 1.7(m) = 約63.6(kg)

まとめ

今回は、身体計測による検査についてまとめてみましたが、いかがでしたか?

身体計測の項目については、体組成計を購入すればご自宅でも測定することができますし、最近ではBluetoothでスマートフォンに測定データを自動送信してくれるので、毎日の健康管理がとても楽ちんです♪

以下に、今回の内容をざっくり整理しておきますね。

判定区分内臓脂肪レベル
標準9.5以下
やや過剰10.0〜14.5
過剰15.0以上
出典:体組成計の測定項目の見かたについて | タニタ
判定区分BMI(kg/m2
低体重< 18.5
普通体重18.5 ≤ BMI < 25.0
肥満(1度)25.0 ≤ BMI < 30.0
肥満(2度)30.0 ≤ BMI < 35.0
肥満(3度)35.0 ≤ BMI < 40.0
肥満(4度)40.0 ≤ BMI
出典:肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)、日本肥満学会

次回は「体外測定による検査(目&耳)」についてまとめていきたいと思います!

それでは今回はこの辺で。。。(パタリ)

参考文献

1)身体組成 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

2)祝田 靖・深見 公子「病院で受ける検査と数値がわかる事典」, 成美堂出版, 2017年12月, 136-137ページ

3)肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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ナミキ
ナミキ
食品の「栄養化学」「食品生理機能学」に関する研究者
こんにちは、ナミキと申します!
私は京都大学で食品成分が持つ栄養やそれらが生体に及ぼす効果に関する研究を行っておりました。
そして現在は企業で食品の成分が持つ機能性についての研究をしております。

このサイトでは、食品の成分がどのような機能性を持っているのか、身体にどのような作用を及ぼすのかを体系的に学ぶことができるよう、情報発信をできればと思っております。
情報源としては、各省庁や各学会のホームページ、市販されている諸先生方の書籍、医学系文献データベースのPubmedなどを用いて、身近な物事について触れていきたいと思います。

基本的なことから少し踏み込んだことも含め、少しでも皆さんの日常生活に役立つような情報となれば幸いです(^^)
よろしくお願いします!
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